コールセンターの受電業務は、常に即答を求められ、クレーム対応など精神的な負担も大きい仕事です。
私も40代半ばでこの業務に挑戦し、最初は不安と緊張の連続でした。
けれども続けるうちに、「落ち着いて対応できる安心感」や「年齢ならではの安定感」が、お客様から信頼につながっていることを実感しました。
若い人にはない“おばさんならではの強み”が、受電の現場ではむしろプラスになる場面が多かったのです。
この記事では、私が未経験から挑戦した受電業務のリアルと、そこで得た即答力・傾聴力がその後の金融・営業事務にどう役立ったかをお伝えします。
40代から挑戦したコールセンター受電業務|PCスキルに不安があった私の再就職体験
かつて新卒で保険会社に入社した私が再就職を目指した頃、世の中は「PCスキル必須」が当たり前になっていました。
「PCが苦手な自分にできる仕事はあるのか?」──そんな不安の中でたどり着いたのが、金融系のコールセンター。
資格取得や発信業務を経て、ついに挑むことになったのが“受電業務”。
それは、発信とはまた違う苦労もある現場でした。
コールセンター受電の実体験|即答力と緊張感との戦い
発信業務と違い、相手のタイミングで突然電話が鳴り、順番で待機者(オペレーター)にまわってきます。
「今日の日経はどう動いてるの?」
「今、投信を売ったらいくら?」
「分配金はいつもらえるの?」
クッション言葉を使いながら間を持たせ、急いで資料を調べつつ、答えます。
尚且つ間違いは許されないので、慎重さも必要です。まるで試験のような緊張感の連続です。
✅ クッション言葉とは「恐れ入りますが」「少々お待ちください」など、相手に配慮しつつ会話の間を作る言葉。これを身につけると応対がぐっとスムーズになります。
怒声対応のコツ|不安を安心に変える傾聴力と会話術
その後、大手銀行の投資信託コールセンターへ転職。さらに厳しい受電の現場を経験しました。
- 難解な金融商品の質問に即応
- パソコン画面や資料を見ながら、相手に合わせたスピード感で案内
- 有名クレーマーや怒鳴り声への対応
- 「お店ではなく、最後はここで必ず解決せねばならぬ」という暗黙の掟
お客様の怒声の裏にあったのは「不安」と「安心したい」という気持ち。
声のトーンや間の取り方から、相手の“心の声”を読み取る技術を、いつのまにか身につけていました。頻繁に書けてくるクレーマーには無言で収まるのを待つ、という指示が入ることもありました。(これはその職場や状況判断次第です。)
受電で身についた応対スキル|金融・営業事務でも活きた経験
受電で培ったスキルは、その後の金融事務や営業事務で大いに役立ちました。
- 即答力:問い合わせや営業への取次ぎでテンポよく対応
- 傾聴力:お客様の要点を素早く整理し、正確に伝達
- 臨機応変さ:忙しい営業担当をカバーする柔軟さ
電話応対のプロとして鍛えられた“会話の瞬発力”は、事務職に転じても大きな武器になったのです。
👇経験が活きた職場の体験談はこちらから読めます。
【50代派遣の転職体験】金融機関で強みを活かし新設チームで成果を出した話
50代派遣主婦が語るメリット・デメリット|コールセンターの現場から
メリット
- 未経験から挑戦でき、手厚い研修やマニュアルがある
- PCスキルが低くても入力レベルで対応可能
- 時給が比較的高め
- コミュニケーション力(傾聴力・対応力)が自然に鍛えられる
- 気兼ねなく休みを取ることができる
デメリット
- 常に即答を求められる緊張感
- クレーム対応の精神的負担
- 長時間の受電で疲労が溜まりやすい
- 人によっては精神的に続けにくい場合も
未経験でコールセンター受電に挑戦する人への注意点|業界・ノルマ・資格の違い
コールセンターは未経験からでも始めやすい仕事ですが、応募前に確認しておくと安心です。
- 業界を選ぶ
金融系では「証券外務員」など資格必須の場合があります。(入社後取得OKの場合と資格保有者のみの場合もあり)一方で、通販・通信・公共系なら資格不要で始めやすいです。 - ノルマの内容を確認(発信の場合)
「件数だけ」か「契約獲得まで」かで負担は大きく変わります。 - スーパーバイザーに電話を代わってもらえる環境かどうか
あまりないケースだとは思いますが、職場により代わってもらいにくい場合も。
まとめ|50代未経験でも挑戦できるコールセンター受電業務の価値
受電は肉体的・精神的にきつい仕事ですが、得られるのは「即答力」「傾聴力」「応対スキル」という一生ものの力です。
そしてこれらは、金融事務や営業事務など他の職種でも大きな武器になります。
今の時代、AIや自動応答が増えているからこそ、人の感情に寄り添う“人間にしかできない仕事”の価値はむしろ高まっているのかもしれません。
「自分には無理かも」と思う方にも、ぜひ一歩を踏み出してほしい。
40代で受電を経験した私が、50代になった今も胸を張って言えるのは──挑戦してよかったということです。
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👇受電業務の前には「発信業務」も経験していました。
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